ＷＢＯ世界スーパーフライ級タイトルマッチ（３０日、東京体育館）で２階級制覇を狙う前ＷＢＣライトフライ級王者・井上尚弥（２１＝大橋）が２７日、会心のコンディションをアピールした。

　井上は一気に２階級上げて同級王者オマール・ナルバエス（３９＝アルゼンチン）に挑戦する。この日、都内のホテルで行われた予備検診では９月の前戦と比べ胸囲が１・４センチ増えるなど、階級に適応したボディーに仕上げてきた。試合前は「（口が渇くので）しゃべりたくもなかった」というほどの減量苦が最大の敵だったライトフライ級時代とはうって変わって、万全の体調が整った。井上は「今まで以上にというか、一番よく仕上がっている」と自信をのぞかせる。

「ライトフライ級の時は筋肉も落としていた」と振り返る井上にとって、スーパーフライはようやく本来の自身の力を発揮できる舞台と言える。大橋秀行会長も「２階級上げて正解だったと思う。スパーリングの内容も全然違う」と太鼓判を押した。

　身長１５８・５センチと小柄なナルバエスに対し、１６３・１センチの井上はリーチでも７センチ上回った。無敗街道を突き進みプロ８戦目で２階級制覇を狙う“怪物”が、もっか１１度防衛中の名王者の牙城を崩し、日本ボクシング史に新たな歴史の１ページを刻む。