プロボクシングの世界3階級制覇王者、田中恒成(26=畑中)の兄・田中亮明(27=岐阜・中京高教)が東京五輪の男子フライ級1回戦(26日、両国国技館)でヨエル・フィノルリバス(24=ベネズエラ)を5―0の判定で破り、2回戦に進出した。相手は2016年リオデジャネイロ五輪の銀メダリストだったが序盤から的確に攻撃を仕掛け、難敵を撃破した。

 この勝利に弟も大興奮だ。自身のインスタライブで試合を〝実況生中継〟して後方支援。さらに所属の畑中ジムを通じて「勝ててよかったです。見ているこっちが気分良くなったし、心を揺さぶられる試合でした。」とコメントした。31日の2回戦も再びインスタライブを敢行し応援するつもりだという。

 かつて2人は、自宅で顔を合わせてもまったく口を利かないほど反発した時期もあったという。しかしアマチュア、プロとそれぞれの道を進む中で関係が修復され、新型コロナウイルス禍で1年延期の間には、鍛錬を積む中で恒成のアドバイスを受けることもあったという。

 この日、ライト級の成松大介(31=自衛隊)が額の陥没骨折により2回戦の棄権を発表するなど嫌なムードも漂うボクシング日本勢だが、それを払拭しメダル獲得を目指す。