大みそかボクシング リゴンドーは本当に来てくれるのか

2014年12月02日 16時00分

リゴンドーはビデオレターで天笠(右)をKO宣言した。左は金平会長

“リゴンドー狂騒曲”が始まった。シドニー、アテネの五輪2大会で金メダルを獲得した、WBA、WBO世界スーパーバンタム級統一王者ギジェルモ・リゴンドー(34=キューバ)に、東洋太平洋フェザー級王者の天笠尚(あまがさ・ひさし、29=山上)が挑戦することが1日、発表された。決戦の舞台は大みそかの大阪・ボディメーカーコロシアム。年末に8試合ある国内の世界戦で最大のビッグカードだが、いまだに疑心暗鬼の関係者の間には妙な緊張感が漂っている。

 

「冗談抜きで、マイアミまで迎えに行こうかと思っています」と語るのは、今回の試合をプロモートする協栄ジムの金平桂一郎会長(49)だ。

 

 リゴンドーは昨年4月、WBO王者のノニト・ドネア(34=フィリピン)を3―0の判定で退け、統一王者になった。ドネアといえば世界5階級制覇を達成したアジアの英雄。その男を倒したのを含め、プロ転向後は14戦全勝(9KO)という完璧な戦績の持ち主だ。

 

 ボクシングメディアで最高の権威を誇る米国の「リング・マガジン」誌が制定するランキングではスーパーバンタム級の「王者」。「パウンド・フォー・パウンド」(階級差を考慮せず、全選手を対象としたランキング)でも8位になっている。

 

 今年の年末は30日と大みそかの2日間で、なんと8つの世界戦が国内で行われる。ここでリングに上がる16選手の中で「パウンド――」にランクインしているのはリゴンドーだけ。五輪(バンタム級)で連続金メダルも獲得しており、実力は間違いなくナンバーワンだ。

 

 リゴンドーのファイトマネーは50万ドル(約6000万円)。他にWBAとWBOに支払う認定料が約1000万円。さらには試合の10日前に一行8人で来日し、5つ星クラスのホテルに滞在することが契約に含まれている。その他もろもろを含めると、興行の経費は1億円を下らない。同日のリングに上がる元世界王者の井岡一翔(25)と宮崎亮(26=ともに井岡)の試合が今年はいずれもノンタイトル戦になったため、大みそかの大阪はリゴンドーがメーンイベンターになる。

 

 とはいえ、今回が世界初挑戦で通算34戦28勝(19KO)4敗2分けの天笠との実力差は明白。この日の会見のために寄せたビデオレターでは「弱いお前を倒しに行ってやるからな」とバッサリ。挑発された天笠ですら「99%勝てないと思うけど、1%のチャンスにかけたい」と返すのが精一杯だ。こうなると、リゴンドーがわざわざ日本まで長旅をしてまで試合をする意味を見いだせなくなるかも…という不安さえよぎる。

 

 そのため、「成田に迎えに行ったら飛行機に乗っていなかった、というのだけはカンベンして。だったら私が(リゴンドーが拠点にしている)マイアミまで迎えに行きますよ」(金平会長)。

 

 米国東海岸まで往復すれば、旅費だけでも数十万円になるが「ちゃんと来てくれるのかなと、心配しながら待っているのに比べれば安いものですよ」と話す同会長の目は本気だ。

 

「パウンド――」のランクに入っているボクサーが国内のリングに上がるのは、7位のWBC世界フライ級王者ローマン・ゴンサレス(27=ニカラグア)に続いて今年2人目(3試合目)。豪華な一年の締めくくりとなるように、不測の事態が起きないことを願うばかりだ。