WBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(28=大橋)が、世界中から称賛を浴びている。

 IBF同級1位マイケル・ダスマリナス(28=フィリピン)を挑戦者に迎えた米ラスベガスでの防衛戦(19日=日本時間20日)では、必殺の左ボディーで3度のダウンを奪い圧巻の3ラウンドTKO勝ち。改めて驚異の実力を見せつけた。一夜明けると世界的評価はさらに高まっており、海外メディアは敬意と畏怖を込めて無敵の〝モンスター〟を報じている。

 英メディア「ワールド・ボクシング・ニュース」は「3度倒したそのどれもが粉砕的なボディーブローだった」とべた褒め。米メディア「インサイダー」も「ノックアウトショットが相手の体を砕いた時の音は、ボクシングがいかに残酷なものであるかを示している」と井上のパンチの破壊力を伝えた。

 また英メディア「ギブミースポーツ」は「井上は誇大広告が間違いではないことを証明した」とした上で「フリオ・セサール・チャベスをほうふつとさせる左フックだった」と絶賛。元3階級制覇王者のチャベスはメキシコの国民的英雄で、デビュー以来90戦無敗、生涯戦績115戦107勝(85KO)6敗2分けなど、とんでもない記録を持つボクシング史に残るスーパースターだ。そんなレジェンドが引き合いに出されたのだから、いかに井上が評価されているかがわかる。

 今後は目標の4団体統一と同時に、権威ある米リング誌のパウンド・フォー・パウンド(体重差がないと仮定した場合のランキング)1位への期待もかかる。〝カネロ〟サウル・アルバレス(30=メキシコ)に続き、現在2位の井上も「統一戦だったり、実績のある選手をどんどん同じような倒し方で倒していけば上がっていくと思う」と虎視眈々。この勢いならあっさり「世界最強」の称号も手に入れそうだ。