階級下げての3階級制覇へ八重樫自信の根拠

2014年11月11日 16時00分

 ボクシング界の“冬男”だ。元WBA世界ミニマム級&前WBC世界フライ級王者の八重樫東(31=大橋)が3階級制覇をかけて12月30日に東京体育館でWBC世界ライトフライ級王座決定戦に挑むことが10日、発表された。クラスを下げて、複数の世界王座を獲得すれば日本では初の快挙となる。そのぶん減量という難関が待っているが、八重樫はなぜか自信満々。本紙の直撃に「減量は寒い時期のほうが楽」と言い切った根拠とは――。

 

 八重樫は大橋ジムの後輩・井上尚弥(21)が返上したベルトをかけ、ランク1位のペドロ・ゲバラ(25=メキシコ)と拳を合わせる。「ライトフライ級でもフライ級のパワーを落とさずにやることがテーマ」と話した。

 

 ただ、世界王座を獲得した階級からクラスを下げての3階級制覇挑戦は、4月に長谷川穂積(33=真正)が挑んで失敗している。八重樫も「何かがあるんだと思う」。階級を下げたぶんだけ、減量の幅も6キロから8キロに増えることになり、これが最大の壁だ。

 

 ところが、減量に関しては意外にも「減量は冬のほうがやりやすいんです」。

 

 一般的なダイエットの感覚では、汗を大量にかく夏場のほうが体重を落としやすいと考えがち。中には「夏はノドの渇きを我慢するのがつらい」と言うボクサーもいるが、八重樫の場合はそんなに単純なものではなく、奥が深い。

 

「夏に体重が減るのは、汗をかいても水分が出ているだけ。例えるなら、コップの水をこぼしたり、ついだりしているようなものです。コップそのものの重さは変わっていないのと同じで、本当の意味での体重は減っていない」(八重樫)

 

 逆に冬場は、気温が下がることに対して体が脂肪を燃やすので、体重が落ちやすいという。

 

 また暖房全開のジムで汗をかき、熱くほてった体には冬の夜風も心地いい~、とのこと。

 

 それが夏場だと…「夏のうだるような暑さだと、外に出て嫌になっちゃう。家ではついついクーラーをつけたくなるけど、風邪をひくのが怖いから、それもできない。でも外出すれば、どこも冷房がガンガン効いているし…いろいろと難しいんですよ」

 

 過去を振り返っても「夏場にいい試合をした記憶があまりない」という“冬男”にとっては、こうした理由から階級を下げての王座挑戦の時期が12月末になったのは幸運だったといえる。

 

 WBCフライ級のベルトを奪われたとはいえ、9月のローマン・ゴンサレス(27=ニカラグア)戦は日本ボクシング史に残る大激闘で、一気に知名度を上げた。八重樫は「激しい試合はしたくない。すっげーつまらなくなるかもしれません」と言うが、得意の冬で今回も激戦は間違いない。