ボクシングの「軽量級世界最強の男」ことWBC世界フライ級王者ローマン・ゴンサレス(27=ニカラグア)が7日、同級8位ロッキー・フェンテス(28=フィリピン)との初防衛戦(22日、横浜国際プール)に備えて来日した。

 ロマゴンは9月5日に前王者の八重樫東(31=大橋)を大激闘の末に下し、3階級制覇を達成。中2か月半のスケジュールにも「1週間休んだ後は良いトレーニングを積んできた」と不安はない。「相手は打たれ強くパワフルな印象だが、コンビネーションでいい結果を出したい」と初防衛に自信をのぞかせた。

 40戦全勝34KOと驚異の戦績を誇る「軽量級世界最強の男」には過去、八重樫をはじめ4人の日本人ボクサーが沈んでいる。高すぎる壁として君臨するロマゴンは、次に戦いたい日本人ボクサーとして元WBC世界ライトフライ級王者の“怪物”井上尚弥(21=大橋)を指名していた。

 その井上は一気に2階級上げてスーパーフライ級に転向。12月30日にWBO王者オマール・ナルバエス(39=アルゼンチン)に挑戦することになり、“怪物対決”はしばらくお預けとなった。ロマゴンはどう感じているのか? 本紙直撃に「もう上げてしまったの? 彼が私に挑戦したいというならいつでも受けるつもりなんですけどね」と複雑な胸中を明かした。

 減量が天敵だった井上が難敵ナルバエスを破りSフライ王座を獲得すれば階級を下げる可能性は低い。だがロマゴンは「私はフライ級に上げたばかり。でも、もしかしたら1年後にはSフライに上げるかも知れませんよ」と不敵な笑み。自身が4階級制覇を目指した際にビッグカードが再浮上する可能性を示唆した。

 ともあれ、まずはフライ級最強を証明し続ける意向。八重樫戦で日本でも一躍知名度を上げたロマゴンが、無敗ロードを突き進む。