一気に2階級上げた井上尚弥の勝算は?

2014年11月07日 16時00分

パンチを打ち込む井上直弥

 ボクシングの大橋ジムは6日、WBCライトフライ級王者・井上尚弥(21=大橋)が王座を返上し、12月30日に東京体育館でWBO世界スーパーフライ級王者のオマール・ナルバエス(39=アルゼンチン)に挑戦することを発表した。一気に2階級上げた井上は大きなリスク覚悟で、新たなスタートを切る。

 

 井上は9月の初防衛戦後に階級変更を明言。WBC王者のローマン・ゴンサレス(27=ニカラグア)がいる1階級上のフライ級転向が有力だった。大橋会長も同級IBF王者のアムナット・ルエンロン(34=タイ)を軸に対戦交渉を進めていたが、交渉の過程でナルバエス戦が急浮上。連絡を受けた井上は「どうせやるなら一番強い王者とやりたい」と即決した。

 

 ナルバエスは2度の五輪を経験し、プロ転向後は46戦43勝(23KO)1敗2分け。フライ級で16回、Sフライ級で11回の世界王座防衛に成功している。唯一の敗戦も11年10月に1階級上のWBC・WBO世界バンタム級王座に挑戦したノニト・ドネア(31)戦だけ。Sフライ級では引き分けすらない怪物王者だ。

 

 勝てば史上最速、しかも飛び階級での2階級制覇という大偉業となる一方、エリート街道を歩んできた井上が負ければ、勢いも人気も急落しかねないリスクもある。井上戦の放映権を持つフジテレビ関係者からも不安の声が出ており、陣営はあえてゴンサレス戦より厳しいイバラの道を選択したことになる。

 

 それでも井上は「Sフライが僕の適正階級だと思う。Lフライでは減量がきつく、練習も追い込めなかった。僕は何階級制覇とかこだわっていないし、Sフライで長期を考えている」。ナルバエスについても「ガードは堅いが、スピードで試合をコントロールして隙を突きたい」と自信満々。KO勝利のイメージもできている。

 

 2階級を上げて臨む一戦。怪物と言われる男が最大の試練に挑む。