WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32=Ambition)が、日本ボクシングコミッション(JBC)の失態により今後の計画を狂わされるかもしれない。

 昨年大みそかのV2戦でのドーピング検査で薬物違反の疑いをかけられた一翔だが、JBCが設置した倫理委員会により「違反は認められなかった」と認定された。ただ週刊誌で疑惑を報じられた4月下旬以降、薬物違反が世間に広まり、SNSでは家族まで誹謗中傷にさらされる実害をこうむった。また検体のずさんな管理体制が禁止成分を産出する要因となっただけに「人生が終わってしまうかと思った。許さない」と怒りは深い。

 そんな中、米メディア「ボクシングシーン」は、今回の経緯を伝えた上で「次戦は未定だが、米国に戻るという話もある」と2018年に米国で試合をした一翔の今後を予想した。スーパーフライ級は現在、WBAスーパー&WBC王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(31=メキシコ)など多士済々の階級。一翔はそうした相手とのビッグマッチを熱望している。となれば舞台は米国の可能性が高く、再度の上陸を検討していることも考えられる。

 しかし同メディアは「今回の調査を受けて、米再侵攻の計画は保留された。不正行為がなくても彼の(日本人初の4階級制覇の)歴史的なキャリアにおける次のステップや、それにふさわしい敬意を取り戻すのは、まだ難しい」と指摘。疑惑は晴れたはずなのに、このありさまではJBCの犯した〝罪〟はあまりに重い。