ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32=Ambition)が昨年大みそかの試合後のドーピング検査で大麻成分に陽性反応を示した問題が波紋を広げているが、米国で大麻に関する注目すべきルール変更があった。

 米スポーツ専門局「ESPN」によると、米フロリダ州のボクシングコミッションが大麻に関する方針を大きく変更し、ボクサーやMMAファイターのマリフアナ検査を廃止するという。同州の「ビジネス及び専門家規制部門」の広報担当者は同メディアに「我々は大麻を検査しない」とコメント。ドーピング検査の禁止薬物から大麻を実質的に排除することを決議したわけだ。

 フロリダ州ではこれまで、選手の体内から微量の大麻成分が検出されただけでも出場停止や罰金、さらには勝利の取り消しなどの処分が下されていた。しかし同担当者によると、北米のプロボクシングや格闘技を統括するボクシングコミッション協会(ABC)の医療諮問委員会の勧告などに基づいてルールの変更を行ったという。

 ABCの医療諮問委員会は「THC(大麻成分)はパフォーマンス向上剤ではなく、抑制剤である。THCに陽性反応を示した選手に、他の向上剤で陽性反応を示した選手と同様の処罰をすべきでない」という声明を出していることも同メディアは伝えている。

 すでにカリフォルニア州など娯楽、医療の大麻が合法化されている米国だが、今回の決議が格闘技界にどんな影響を及ぼすのか注目される。