世界フライ級最強決定戦が急浮上した。WBC世界フライ級タイトルマッチ(5日、東京・代々木第二体育館)の前日計量が4日に行われ、V4戦に臨む王者の八重樫東(31=大橋)はリミットちょうどの50・8キロ。挑戦者のローマン・ゴンサレス(27=ニカラグア)は100グラムアンダーでパスした。


 ミニマム&ライトフライの2階級王者でプロでは39戦全勝。アマ時代を合わせても126戦無敗のゴンサレスを迎え撃つ八重樫は「明日で地球がなくなってもいい感じ」と悲壮な決意を明かした。しかし「軽量級最強」の男に勝利した先には、フライ級ナンバーワンを決める戦いが待っている。


 今回の興行をプロモートする帝拳ジムの本田明彦会長(66)は「世界では今、フライ級が熱い。八重樫とロマゴン(ゴンサレス)の勝者は、エストラーダ(の防衛)戦の勝者とやることになるのでは。そういう意味では5日は『準決勝』といっていい」と明かした。


 ファン・フランシスコ・エストラーダ(24)はWBAフライ級スーパー王座&WBO世界フライ級の統一王者。6日に、ジョバンニ・セグラ(32=ともにメキシコ)を相手に防衛戦を行う。その勝者との“決勝戦”として、WBCタイトルをかけた3団体の統一戦が開催されるプランが進行中というわけだ。


 さらにフライ級戦線では井岡一翔(25=井岡)の3階級制覇を阻んだIBF王者アムナット・ルエンロン(34=タイ)が10日にV2戦を行うことが決まっている。近い将来には、主要4団体のフライ級ベルトをかけた統一戦に発展する可能性も十分にあるわけだ。


 八重樫としても、軽量級最強の男に勝ったあとに「世界ナンバーワン」を証明するには、またとないチャンス。本田会長が明かした統一戦プランを実現するためにも、まずはゴンサレスを倒すしかない。