ロンドン五輪金メダリストでWBCミドル級12位の村田諒太(28=三迫)が9月5日のプロ5戦目(東京・代々木第二体育館)に向けた米国キャンプを打ち上げて帰国。現在は「停滞期」にあることを明かした。
村田は、鼻にばんそうこうを貼った姿で成田空港に姿を見せた。「ちょっと古傷がパックリ開いてしまって…。でも、スパーリングもできるので、大丈夫です」。今回の相手はメキシコ同級王者のアドリアン・ルナ(24)。17勝11KOのうち、2ラウンド以内のKOが8回という強打者だけに、試合中に古傷から出血しないか不安なところだ。
だが、本当の悩みは別のところにあった。今回はスーパーミドル級の世界ランカーらと約60ラウンドのスパーリングを敢行。「速いジャブに合わせるにはどうしたらいいのか考えるうちに、本来と違うものを出さなければならず、バランスを崩してしまった」という。
混乱と停滞。昨夏にプロデビューしてから4連勝と順調に進んでいる村田にとっては異例の事態だが「マイナスと考えたら、マイナスにしかならない。今後、良くなるための布石だと思っています」と前を向いた。
さらには同様の「停滞期」が「(2011年の)世界選手権前にありましたかね」と明かす。この時は8月のアジア選手権で2回戦敗退。それでも10月の世界選手権では日本人初の銀メダルを獲得し、翌年のロンドン五輪金メダルにつなげた。停滞の先には大きな前進があると確信している。
「(試合まで)2週間あれば、何とかなると思います」と話した村田。停滞期を抜け出した後はリング上でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。