ボクシング元世界ミドル級統一王者マービン・ハグラー氏(米国)が、米ニューハンプシャー州の自宅で死去したことが分かった。66歳だった。

 12日にケイ夫人がフェイスブックで「非常に悲しい発表をしてすみません。残念ながら、私の最愛の夫であるマービンは、ここニューハンプシャーの自宅で突然亡くなりました」と明かしたもので、息子のジェームス氏の「呼吸が苦しくなり、胸に痛みを訴えて病院に運ばれました」という言葉を米国メディアが報じている。

 ハグラー氏は1973年にプロデビューし、80年9月に2度目の世界挑戦でアラン・ミンター(英国)からWBA、WBC世界ミドル級王座を獲得した。83年にはIBF王座も獲得し、通算12度防衛(11KO)に成功。当時は「最強」と呼ばれ、80年代のミドル級を代表する屈指の名ボクサーだった。

 スキンヘッドの屈強な風ぼうから繰り出す強烈な連打は「マーベラス」(驚異的)と呼ばれた。常に最強挑戦者を相手に防衛を重ね、ライバルたちと80年代の「中量級黄金時代」を築き上げた。85年4月には当時2階級制覇王者(後に史上初の5階級制覇を達成)トーマス・ハーンズ(米国)を衝撃の3RKOで撃破。83年11月にはパナマの英雄で〝石の拳〟ことロベルト・デュランも判定で退けた。

 87年4月には、一度引退した〝中量級史上最大のスーパースター〟で後に5階級制覇王者となる元統一ウエルター級世界王者シュガー・レイ・レナード(米国)と「世紀の一戦」に臨むも、歴史に残る死闘の末、1対2の判定で敗れ、13度目の防衛に失敗。この一戦を最後に潔く引退した。通算成績は62勝(52KO)3敗2分けだった。