元K―1ワールドGPスーパーバンタム級王者・武居由樹(24=大橋)がボクシングのデビュー戦(11日、後楽園ホール)でまさかの“辛勝”を求められた。

 10日に対戦相手の高井一憲(34=中日)とともに54・5キロの契約体重で行われる一戦の前日計量に臨み、ともに100グラムアンダーでパス。この日、オンラインで取材に応じた武居は「K―1の時は55キロでやっていたので、その時より落としましたけど、体重もすんなり落ちて調子もいい感じ」と語った。

 デビュー戦勝利を目指してきた中、指導する元3階級王者の八重樫東トレーナー(38)は「2―1の判定勝ちでいい」と意外な言葉を口にした。これは3人のジャッジのうちの1人はトータルのポイントで相手を支持した苦戦を意味する。元K―1王者がそれでいいのかという気もするが、しっかりした理由がある。

 同トレーナーは「試合の中でいろいろなことを見せてくれると思うので、それを見て今後どういうふうに持っていくか。課題を見せてくれれば」と説明。早いラウンドでKO勝ちしてしまえば、ボクシングに転向してどれだけ対応できているかわからない部分も出てくる。指導者としては、様々な状況でどんなパフォーマンスをするかを見たいわけだ。

 大橋ジムの大橋秀行会長(56)が「2年以内に世界王者になれる」と期待する逸材だからこそ、勝ち方にもこだわって頂点を目指す。