事実上の活動停止状態にある亀田ジムの今後について、亀田三兄弟の古巣でもある協栄ジムの金平桂一郎会長(48)が緊急提案した。

 亀田ジムは昨年12月のIBF世界スーパーフライ級タイトル戦で当時王者の亀田大毅(25)が「負けても防衛」となった騒動の処分により会長とマネジャーが不在。現在は国内で活動できない状況だが、前協栄ジムマネジャーの大竹重幸氏(56)を新会長に据えて再出発との情報が浮上。三兄弟の父・史郎氏(49)も「興毅と大竹さんがタッグを組んで動いている」と同氏を新会長に立てる方向性を認めている。

 ところが、金平会長は「亀田ジムが新しい会長で再スタートとなると、新規加盟のジムを審査するのと同じ手続きが必要になる」。亀田ジムは16日に開催される日本ボクシング協会の理事会に大竹会長による新体制を申請すると見られるが、協会は同ジム前会長について「職務を怠り、事実上の名義貸し状態だった」として4月に除名処分を下したばかり。JBCの秋山弘志理事長の指摘通り(本紙昨報)、やはりGOサインには時間がかかりそうだ。

 長男の興毅(27)はWBAから世界スーパーフライ級王者の河野公平(33=ワタナベ)との対戦指令を受けているが、これに対しても金平会長は「この試合を(国内で)やりたいのはわかる。だからといって、すぐに新体制を認めるというのとは違う」ときっぱり。代わりに提案したのが、興毅ら三兄弟が他ジムに移籍して活動すること。これなら河野戦もOKだ。

 さらに金平会長は興毅に「選手としては限界が見えていると思う。河野戦で負ければもちろん、勝っても4階級制覇の偉業を花道に引退して(亀田ジムの)会長になればいい。そうなれば私は賛成しますよ」とも…。三兄弟が移籍し所属選手ゼロとなっても、亀田ジムは「消滅」ではなく「休会」扱いになるという。古巣からの提案に、興毅はどうする?