モンスターの3冠王者への道はどうなる。2020年度ボクシング年間表彰の受賞者が28日に発表され、WBAスーパー&IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(27=大橋)は「最優秀選手賞」(MVP)と「KO賞」に輝いた。

 3年連続4回目のMVPとなった井上は「2020年は1試合しかできなかったけど、ラスベガスでのメイン(イベンター)が評価されたのだと思う」とした上で、21年は「できれば2試合やりたい。もうひとつベルトを増やしたい」と話した。

 次戦はIBF1位のマイケル・ダスマリナス(28=フィリピン)との対戦が濃厚で、これをクリアして3本目のベルト取りへ。気になるのは各王座の動向だ。

 WBCは昨年末に対戦予定だった王者のノルディーヌ・ウーバーリ(34=フランス)とノニト・ドネア(38=フィリピン)が相次いで新型コロナウイルスに感染。レイマート・ガバリョ(24=フィリピン)とエマニュエル・ロドリゲス(28=プエルトリコ)が暫定王座決定戦を行ったが、判定負けに異議を申し立てたロドリゲスの主張が認められてWBCは再戦を指令。勝者はウーバーリとの対戦が義務付けられ、ここにドネアも絡むので〝順番〟はしばらく回ってこなさそう。

 WBO王者のジョンリル・カシメロ(31=フィリピン)は昨年4月の対戦がコロナの影響で中止となって以降、井上への挑発を繰り返してきたが、ここにきてWBA正規王者のギジェルモ・リゴンドー(40=キューバ)戦が浮上。タイミングとしてはこの勝者とになりそうだ。

「日本のスポーツ界のトップになっていけるように」とブチ上げた井上。そこに近づけるように、諸々の試合が無事開催されることを願うばかりだ。