IBF世界ミニマム級タイトルマッチ(7日、大阪・ボディメーカーコロシアム)は王者の高山勝成(30=仲里)が同級10位で世界初挑戦の小野心(31=ワタナベ)を3―0の判定で下し、2度目の防衛に成功した。

 接戦を分けたのは一瞬の判断だった。両者互角の攻防で迎えた10回。ロープ際で打ち合いとなった際、小野の上半身が場外に出て引っかかるような状態になった。普通ならレフェリーがストップをかけて体勢を整えさせる。小野もそれを予期したのか動きを止め、高山も離れようとした。だが、レフェリーは何も言わない。それを見た高山は右アッパーを4連発。

 無防備に打ち込まれる形になった小野はたまらずダウン。これで流れは一気に王者に傾いた。

 この日が世界戦10試合目の高山と、初の世界挑戦だった小野。経験豊富な王者はWBCミニマム、WBAミニマム(暫定)の世界王座も過去に保持しており、キャリアの差が明暗を分けたと言っていい。

 高山は「小野選手はやりにくいと分かっていたが、実際に戦って独特なリズムで前半、中盤に戸惑った。勝ち切れて良かった」と言いつつも、貫禄たっぷりだった。

 次なる目標は日本初の4団体制覇。残るはWBOのベルトだけだ。高山は「目標に向け走りだしたい。時が来たときに、しっかり取れるように」と胸を躍らせた。