ボクシングのトップランク社のボブ・アラムCEO(89)は、WBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(27=大橋)の次戦が米国での開催となる可能性について言及した。17日(日本時間18日)の米メディア「ボクシング・シーン」が報じている。

 井上の次戦はIBFの「指名試合」として同級1位のマイケル・ダスマリナス(28=フィリピン)と対戦する予定。「ボクシング・シーン」によれば、4月に日本で開催されることで合意に達している。

 ただ、アラムCEOは「日本へ入国できないことが問題」と緊急事態宣言の発出によって、在留資格のない外国人の日本への新規入国が認められない可能性について言及した。「特例」として認められていたスポーツ選手についても、現在は新規入国が認められていない。

 期限は緊急事態宣言と同じ2月7日までとなっているが「今は2週間の自主隔離を受け入れる、といっても日本に入国できない。それが4月にどうなっているか、誰にわかる?」とアラムCEOが「ボクシング・シーン」に対して述べているように、4月に状況が改善されるという希望的観測で実施に向けて準備するのは、あまりにリスクが多すぎる。

 井上は2戦前のWBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)決勝のノニト・ドネア(38=フィリピン)戦から前戦のジェイソン・マロニー(30=オーストラリア)まで約1年が空いた。

 ボクサーとして〝旬〟ともいえる時期にあまり試合間隔を空けたくないCEOとしては、4月に次戦をやらせたい意向で「彼ら(陣営)も日本開催を望んでいる」としている。

 だが、入国をめぐる見通しが不透明とあって「彼を日本の外に連れていかなれればならない」と国外開催を示唆。その場合は昨年10月のマロニー戦同様(米ラスベガス・MGMグランド)、米国で行われることが有力だという。

 日本のファンとしては2年近くも「モンスター」のファイトを生で見られないことになるが、こればかりは未曾有の状況で致し方ないと割り切って、テレビなどで応援することになりそうだ。