ボクシングWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ、4階級王者の井岡一翔(31=Ambition)と、元3階級王者で同級1位の挑戦者、田中恒成(25=畑中)との対決はいよいよ明日大みそかの午後6時過ぎにゴングが鳴る。「レベルの差を見せる」(一翔)「勝って世代交代する」(田中)と両雄が言い合う大一番は、ダウンを一度奪ったぐらいではその後がどうなるかわからない激闘になりそうだ。

 今年1月にWBOのフライ級王座を返上して田中は今回がSフライ級での初戦。階級を上げたボクサーが通常なら行う前哨戦が新型コロナウイルスの影響でできなかっただけに、いきなり世界戦となるのが気になるところ。

 田中は2016年大みそかにWBOライトフライ級王座を獲得して2階級制覇した試合や、翌年9月のV2戦。さらにWBOフライ級王者となった後のV2戦でもダウンを喫しており、決して打たれ強いとは言えないイメージがある。

 それだけに一翔が序盤から〝圧〟をかけてパワーで圧倒する展開になると有利とも思える。

 だがその一翔も16年の大みそかは、現在の田中と同じ15戦無敗でランク1位の戦績で挑んできたスタンプ・キャトニワット(22=タイ)にダウンも喫している。

 それでも両者とも、それらの試合はすべて結果はKOでの逆転勝利という結果になっている。

 ダウンさせられても、逆に〝スイッチ〟が入って倒し返すのが一翔と田中の2人。決定的なダメージを与えない限りはその後の展開は全くわからない。

 次の一撃は相手を仕留めるものになるのか。それとも敵を勢いづかせるものになるのか。一瞬たりとも目を離せない試合になりそうだ。