【ネバダ州ラスベガス12日(日本時間13日)発】ボクシングのWBOインターコンチネンタル・ライト級王座決定戦(MGMグランド)で前東洋太平洋ライト級王者の中谷正義(31=帝拳)はIBF世界ライト級5位のフェリックス・ベルデホ(27=プエルトリコ)に9ラウンド(R)1分45秒、TKO勝ちで新王者となった。

 まさに文字通りの「大逆転」だ。

 1、4Rに2度のダウンを喫し、このまま逃げ切られてしまうのかと思われた9R。中谷が左フックをヒットさせるとベルデホはリングに崩れ落ちる。

 何とか立ち上がったもののダメージがあるのは明らか。再開後すぐに中谷の右ストレートをアゴに打ち込まれて倒れたベルデホの様子を見たレフェリーはカウントすることなくTKOをコールした。

 中谷は昨年7月に、現4団体統一ライト級王者のテオフィモ・ロペス(=米国)とのIBF世界同級王座決定戦に敗れた。

 この時以来、1年5か月ぶりの試合はどことなく動きが硬く、1Rの1分すぎに右でダウンを奪われる。

 4Rもカウンターで2度目のダウンを喫する。7Rには盛り返すが、ベルデホをつかまえきれない。

 8Rには中谷の足がグラつくシーンもあり、このままベルデホが逃げ切ることが濃厚かと思われた9Rに中谷が2度のダウンを奪って大逆転勝利した。

 昨年7月の試合ではロペスを最後まで苦しめたものの、判定負けでプロ初黒星を喫したことで一度は引退を決意した。

 その後、今月3日に井岡ジムから帝拳ジムに移籍し、今回はいきなり大舞台での再起だったが、きっちり結果を出した。

 この勝利で見据えるのは、今年10月にワシル・ロマチェンコ(32=ウクライナ)に判定勝ちして4団体王者となったロペスとの再戦だ。

「今日みたいにKOを狙いたい。それが米国で勝つ方法だから」と試合後に話した中谷。ラスベガスのリングで、その拳の威力を見事にアピールした。