昨年12月3日に行われたIBF世界スーパーフライ級タイトルマッチで「負けても防衛」した亀田大毅(25=亀田)が王座を返上した。19日、米国キャンプに向かう成田空港で取材に応じ「負けたことが悪いし、お騒がせして申し訳ありません。こういう状況なので王座を返上します」と神妙な表情で明かした。

 同戦では対戦相手の体重超過により、勝敗に関係なく、王座を保持することになったが、IBFの立会人が勘違いし「負ければ空位」と発言。大混乱に陥った。日本ボクシングコミッション(JBC)は事態を把握しながらも報告を怠ったジム側の対応を問題視。2月に事実上の資格剥奪となる、ジム会長とマネジャーのライセンス更新を認めない処分を下した。

 こうした騒動の経緯から大毅は、ようやく“みそぎ”を果たしたわけだが、実は亀田サイドは18日に、JBCに処分の再審議を求める意見書を提出したばかり。またIBFが「全責任はIBFにある」とする謝罪文をJBCに送付していたことも判明。このタイミングで大毅が頭を丸め、ベルトを返上したのは、情状酌量を狙った“作戦”とも受け取れそうだ。

 この一件について、JBCの秋山弘志理事長は「ある程度は評価しないといけない」と話す一方で「(亀田ジムの)処分とは別。会長とマネジャーが職務を履行していないことについてライセンス更新を認めなかったのだから」と毅然とした態度を見せた。秋山理事長は処分発表から1か月以上が経過しているため「こういうタイミングで、そういうこと(返上)を言ったのがなぜかはわからない」と王座返上に関係なく、再審議の必要性を精査する意向で、処分の撤回や軽減にはつながる可能性はなさそうだ。