WBO王座奪取の中谷潤人 後継者となれるか…〝神の左〟山中慎介氏と不思議な共通点

2020年11月07日 06時15分

マグラモを下し、世界のベルトを奪った中谷(代表撮影)

 暗い時代に、歴史に残る王者となるか。WBO世界フライ級王座決定戦(6日、東京・後楽園ホール)で同級3位の中谷潤人(22=M・T)が同1位ジーメル・マグラモ(26=フィリピン)に8ラウンド(R)でKO勝ちして新王者となった。

 当初は4月に行われる予定だったが、新型コロナウイルス禍で7か月待った思いを渾身の左に乗せた。1Rにボディーをヒットさせ「勝利を確信した」という中谷は、その後も試合を支配する。8Rに強烈な左の連打を被弾したマグラモはプロ26戦目で初のダウン。10カウントで試合終了となった。

「神の左」をほうふつとさせる豪打にテレビ解説の元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏(38)も「同じ日(11月6日)にチャンピオンになったことはうれしいし縁を感じる。(中谷は)海外でもやれるし、評価される面白いボクシングをすると思う」と絶賛した。

 山中氏が王者となった2011年は3月11日に東日本大震災が発生し、11月はまだまだ災害の傷跡が残っていた。今年はコロナ禍。社会全体が不安に襲われていた時期に、スッキリした勝ち方で世界を取ったという共通点がある。

 山中氏はV2戦から5連続KO防衛を重ね、このころから「神の左」と呼ばれるようになり、知名度を高めていった。中谷はこれからの存在だが、コロナ後国内で初の世界戦で豪快なKO勝利はインパクト十分のものとなった。

 新王者は中学卒業後に単身渡米し、1年武者修行という異色の経験を積んできた。試合後のリング上ではテレビの解説席に向かって「山中さんのように防衛していきます」と堂々と言い切った。12度の防衛に成功した「神」の後継者となれるか今後の戦いに期待だ。