大のボクシング好きとして知られる米プロバスケットNBAポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードが独自の「パウンド・フォー・パウンド」(PFP、体重差がないと仮定した場合のランキング)を発表。ここにWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(27=大橋)の名前がないことがちょっとした論争になっている。

 リラードがPFPで1位にしたのはWBO世界ウェルター級王者のテレンス・クロフォード(33=米国)。PFPを制定している本家ともいえる〝ボクシングの聖書〟米リング誌では3位だが、スポーツ専門局ESPNの最新ランクでは堂々の1位となった。

 以下、2位にWBA世界ミドル級スーパー王者のカネロことサウル・アルバレス(30=メキシコ)。3位はIBF、WBC世界ウェルター級統一王者のエロール・スペンス(30=米国)と続いていくが、そこに井上の名前はなかった。

 リング誌で2位。ESPNで3位に入る井上がランクインしないことは、今や日本人だけでなく、海外のボクシングファンも違和感を抱く。

 そのため、リラードがPFPを発表した直後には「イノウエは?」とリツーイトされた。

 だがリラードは「俺は評価しない」とひと言。「イノウエはここ数年、世界のトップファイターを倒しているモンスターだぞ」との声にも「他の人が評価しているからって、俺が評価する必要はないだろう?」と意見を曲げる様子はない。

 もっとも井上を嫌ったりしているわけではなく「彼が本物じゃない、とは言っていない。31日を楽しみにしている」と、日本時間の11月1日に行われるWBO同級1位のジェイソン・モロニー(29=オーストラリア)との試合をチェックすることを予告している。

 日本のファンやメディアと全く関係のないところでこれだけ話題になるのは「NAOYA INOUE」の名前が世界中で認知されているということ。

 井上としては、昨年11月のWBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)決勝のノニト・ドネア(37=フィリピン)戦の映像も見た上でPFP圏外と評価したリラードをうならせて、文句なしにランクインさせるファイトを披露したいところだ。