モンスターが壊した…の真相は? 川崎新田ジムは所属する元日本フライ&ライトフライ級王者の黒田雅之(34)が11月28日に予定していた約1年半ぶりの再起戦の中止を発表したが、その原因をめぐってネット上では「井上が破壊した?」との憶測が広がった。真実はどうなのか、本紙は新田渉世会長(53)を直撃した。

 川崎新田ジムの発表では「1日のスパーリングで左上腕を痛め、翌2日のMRI検査で腱の断裂と診断。6日に手術するかを判断し、当面は治療に専念する」というものだった。一方、2日には大橋ジムの大橋秀行会長(55)がSNSに、WBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(27=大橋)が黒田とスパーリングしたことをアップしていた。

 ガードの体勢だと、左上腕に右フックを被弾することがある。そのためネット上では、KOの山を築いてきた井上のパンチが練習相手の黒田をも〝破壊〟したのか…との憶測がなされたわけだ。

 このことについて、新田会長は「痛めたのは1日の尚弥とのスパーリングで、です」とあっさり認めた。ただし、直接の原因は「左フックを打った時に痛めてしまいました」とのことだった。黒田は9月23日に井上の弟、拓真(24)とのスパーリングで今回断裂した箇所を痛め、同25日は井上とのスパーリングを中止。1日は「大丈夫だろう」との判断でスパーに臨んだが、モンスターからの被弾ではなく、自分で痛めてしまったのが真相だった。

 その井上は、ジェイソン・モロニー(29=オーストラリア)との防衛戦(31日=日本時間11月1日、米ラスベガス)のファイトマネーが、当初4月にWBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(31=フィリピン)との3団体統一戦で予定された100万ドル(約1億500万円)から、無観客試合となっても減額されないという。軽量級としては破格の金額だが、今回、思わぬ憶測が流れたのもファンが井上のパンチ力を「破格」とみているからこそだ。

 18日に渡米が迫る中でラスベガスでは遠慮なく、相手を破壊するぐらいのファイトを披露する。