31日、大阪市のボディメーカーコロシアムで行われたWBA世界ライトフライ級戦は、王者・井岡一翔(24=井岡)が、同級3位のフェリックス・アルバラード(24=ニカラグア)を判定3―0で下し3度目の防衛に成功した。

 場内が大きく沸いたのは、最終回残り10秒の拍子木が鳴り、共に前に出た時だけだった。過去2度の大みそか決戦はいずれもKO勝利だった一翔だが「強敵だとわかっていたし、楽には勝てないと思っていた」と試合後のリング上で話したように、この日はランク3位のアルバラードに思わぬ苦戦を強いられた。

 立ち上がりから激しいパンチの応酬となったが、リーチで上回るアルバラードは予想に反して序盤は接近戦に持ち込む。

 密着した状態からでも大振りのパンチを連発。宮崎の惨敗の余韻も残る場内には不穏な空気も流れた。

 前日の会見では「2014年は、新たな『伝説』を作りたい」と言い切った。目標となるのはWBAのLフライ級スーパー王者、ローマン・ゴンザレス(26=ニカラグア)との王座統一戦か、三階級制覇。もし“ロマゴン”との統一戦をやるとなれば、同郷出身のアルバラードに負けるわけにはいかなかった。

 終盤になると挑戦者は逆に勢いを取り戻す。採点は3―0。一人はシビアに「115―113」の2点差。10点、9点差をつけたジャッジもいたが、そうは見えない内容だった。