「職質王者」コソコソ挑戦者に不快感

2012年07月07日 12時00分

 WBC世界スーパーフライ級王者の佐藤洋太(28=協栄)が初防衛戦(8日、横浜文化体育館)に向け、挑戦者の同級1位シルベスター・ロペス(24=フィリピン)から〝丸裸〟にされていることが明らかになった。一方で挑戦者陣営はロペスの情報を徹底的に隠しており、王者陣営は挑戦者のやり方に反発を強めている。

 

 初防衛戦に向けて佐藤は約250Rのスパーリングを敢行した。そのうちの約60Rはフィリピン選手を相手にしたが、その際にロペス陣営の日本人関係者が協栄ジムを訪れすべて録画したという。協栄ジム関係者は「それをロペスが見てるっていうんだよね」と苦笑いしながら明かした。

 

 60Rというと、単純計算で5試合分にもなる。さらに実際に拳を交えたフィリピン人選手から、微妙なクセやパンチの威力などの詳細についても情報を入手したという。一方でロペス自身は試合3週間前という異例の早さとなる先月17日に来日。都内のジムで調整を続けているが、メディアへの露出は極力避けている。

 

 協栄ジムの金平桂一郎会長(46)はそんな挑戦者陣営のやり方に不快感をあらわにする。「そんなに早く来て、こそこそ練習して、スパーを見せるのは(公開練習の)明日だけ。その一方で裏でしっかり佐藤のビデオ見てるなんてセコいよね。そういうやり方は嫌いです」

 

 佐藤の公開練習にも挑戦者の姿はなし。金平会長も「そんなに見たいなら、来ればいいのに。今日だって練習は『ニコニコ動画』で生中継したんだし、うちは何も隠しませんよ」とあきれたように話した。ボクシングでも事前の情報戦に勝つことは大切だが、あまりのコソコソぶりは我慢ならないというわけだ。

 

 王者も「今回はスピードとパワーの対決。一発もらったら終わり。意外と早い回の決着かもしれませんね」と話したうえで、あえて「ロペス対策の練習って、特にしてないんですよね」とぴしゃり。佐藤は“職質王者”として有名になった。挑戦者から〝丸裸〟にされても、警官から職務質問された時と同じく逃げも隠れもしない。