新型コロナウイルス感染拡大後、首都圏では初となるボクシング興行が16日に東京・後楽園ホールで無観客で行われた。

 メインの東洋太平洋(OPBF)フェザー級タイトルマッチは王者でロンドン五輪銅メダリストの清水聡(34=大橋)が殿本恭平(25=勝輝)に7ラウンド2分10秒TKOで勝ち、5度目の防衛に成功した。

 1年前にWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級タイトルに挑んで失敗。さらに両目の眼窩底骨折の重傷を負った清水がゴングとともに見せた。

 1ラウンド、序盤に伸びる左ストレートで殿本を倒すと、中盤にも右フックで2度目のダウンを奪う。すぐにでも試合を終わらせそうな勢いにも「若い時だったらあそこでラッシュかけるけど、攻めると隙が出ると思うので、大事をとっていきました」(清水)と、ややペースを落とし、殿本の強打を被弾する場面も見られた。

 それでも7ラウンドに左ストレートでグラつかせると、レフェリーが試合を止めた。無観客での試合も「アマの地方大会はいつも無観客だったので、懐かしい感じです」と気にすることはなかった。惨敗から1年。得意の左で清水が表舞台に帰ってきた。