亀田大毅「感涙の2階級制覇」裏で“異様トラブル”

2013年09月05日 11時00分

涙を流す興毅(右)と和毅(左)に抱きつかれる大毅(囲み写真は顔面を捉えた大毅のパンチ)

 IBF世界スーパーフライ級王座決定戦(3日、サンメッセ香川)は同級3位の亀田大毅(24=亀田)が同級元王者で4位のロドリゴ・ゲレロ(25=メキシコ)に3―0で判定勝ち。WBAフライ級に続く2階級制覇を達成した。亀田三兄弟で同時世界王者の偉業ともなったが、舞台裏では亀田家らしく前代未聞のドタバタ続き。日本で初開催となるIBF世界戦のルールをめぐってゴング12時間前から起きた大騒動を本紙は徹底リポートする。

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 ボクシングの主要4団体の中で、IBFだけが実施している「当日計量」。予定時刻の3日午前10時に会場のホテルに日本ボクシングコミッション(JBC)と報道陣が集まったものの、そこにIBF役員と両選手の姿はなかった。

「8時にやったそうです。私たちも9時すぎに亀田ジムからの連絡で知りました」と不快感をあらわにしながら話したのはJBC関係者。確かにIBFのルールには「両陣営が合意すれば前日計量の時刻を2時間早めることができる」とある。「前日計量から10ポンド(約450グラム)以上増えてはならない」規定から1分でも早く解放されたい思いは大毅、ゲレロとも一致。前夜9時ごろに変更が決まったが、亀田ジム側は「ローカルコミッションに伝える義務はないので、JBCには伝えませんでした」という。

 

 ルールで問題はなくても、国内の試合を管轄するコミッションに変更の報告ぐらいはするのが一般常識というもの。だが、この件は騒ぎのほんの序章だった。

 午前11時に会見のため両選手が登場。ここでゲレロ陣営はスポンサーロゴが入ったカナダ製グローブを使うことを主張した。当初はIBF、JBCともに1日の調印式で日本製を使うことを確認していたため、この申し出は却下。だがゲレロ陣営が亀田ジム、吉井慎次会長の署名入りの「グローブはそれぞれが選んだ物を使う」と明記された契約書を提示すると、IBFは一転してカナダ社製の使用を認めた。

 これに亀田サイドは激怒したが、なぜか怒りのホコ先がJBCへ…。この問題の原因は「グローブを自由に選べる」旨が明記してある契約書に会長名でサインした亀田側にあるのは言うまでもない。しかも、IBFは世界一の契約社会・米国にある団体。書類の内容と異なる主張をしても取り合ってもらえるはずもない。このため、役員一行がいなくなると、JBCに対して「何で自分たちのためにIBFと戦ってくれないんだ!」と文句をつけたのだ。さらには報道陣を退去させて“密室状態”にすると、より強い口調でJBCに迫ったという。

 とはいえ、これは両陣営間の契約の問題。JBCが関与する筋合いの話ではないので「当事者同士で解決するように」と返答。職員たちは部屋から出ようとした。

 と、その時。この場にいた末弟でWBO世界バンタム級王者の和毅(22)が、職員をとどめさせようとしたという。漂う一触即発の緊迫感。ネット上では一部で「とんでもない暴挙があった」と報じられたため、どんな暴言、あるいは暴行があったのか? と様々な臆測も乱れ飛んだ。

 この件について亀田ジム関係者は「そんなこと(暴行、暴言など)一切ない。ゼロですよ」と本紙に全面否定した。ただ、ドアを閉じた部屋の外まで聞こえるような大声で会話しており、穏便なものではなかったことだけは間違いない。結局、グローブも試合直前の話し合いで急転、両者とも日本製を使うことになった。

 試合は大毅の判定勝ちで快挙を達成したものの、舞台裏ではドタバタの連続。お騒がせの亀田家らしいといえばそれまでだが、後味の悪さは残った。