格闘界に“小さな怪物”が現れた。ボクシングの東京五輪アジア・オセアニア予選(ヨルダン・アンマン)の女子フライ級で準優勝を飾り、見事に五輪切符を手にした並木月海(なみき・つきみ=21、自衛隊)が「正直、ホッとしました。自力で枠をつかめたことがうれしい。何より東京五輪で金メダルを取りたい」と早くもV宣言だ。

 身長153センチと小柄でキュートな見た目だが、頭の中は格闘技一色。幼稚園の年中で極真空手を始め、小学4年でキックボクシングへ。中学に入学した際に「普通の女の子になりたい」とどこかで聞いた名言を残して一度は格闘技を離れたが、ぬるま湯の生活にすぐ飽きて、ボクシングを始めた。

 並木をキックボクシングの世界に誘ったのは那須川天心(21)。幼なじみでもあるキック界の神童とは高校時代に何度も手合わせしている。

 そんな盟友から「金を取ってほしい」と激励のメッセージを受け取ると「ありがとうって感じですね。天心は自分を引っ張ってくれた。追い付きたいし、追い越したい」とニッコリ。

 さらに「五輪までにスパーリング、やるかもしれません。負けませんよ。フルボッコにして、いい気分で五輪へ行きたいと思いますね」。今度は不敵な笑みを浮かべた。

 夢にまで見た東京五輪の金メダルへ、神童を踏み台にするつもりだ。