因縁対決の行方は? WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ(2月29日=日本時間1日、テキサス州フリスコ)を制しローマン・ゴンサレス(32=ニカラグア、帝拳)が新王者となったことで、WBO同級王者の井岡一翔(30=Reason大貴)との王者対決が実現するのか注目を集めている。

 鮮やかな右ストレートで王者カリド・ヤファイ(30=英国)に9回TKO勝ち。2017年3月にシーサケット・ソールンビサイ(33=タイ)に判定負けしてWBC同級王座を失って以来、3年ぶりに世界王者となったロマゴンは試合後「統一戦がしたい」とぶち上げた。

 そうなると気になるのは一翔との4階級制覇王者対決だ。12年大みそかに一翔がWBA世界ライトフライ級の正規王者となった後、WBAから同級スーパー王者だったロマゴンとの対戦指令が出たものの、実現はせず。これを「ロマゴンから逃げた」と批判された一翔は当時「ケチがついたままじゃいられない」と話していた。

 それから約7年。「海外での統一戦」を希望する一翔にとってロマゴン戦が実現すれば、その“収穫”は大きい。日本初の4階級制覇を達成しながら国内での扱いは、WBA世界ミドル級王者の村田諒太(34=帝拳)、WBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(26=大橋)に次ぐ3番手からの脱却、あるいは2人に近づくチャンスでもある。

 もっとも26戦全勝だったヤファイを完璧に倒したかつての「パウンド・フォー・パウンド」(階級差がないと想定した場合のランキング)1位の“壁”はとてつもなく高いが…。果たしてどうなるか。