ボクシング3階級王者の田中恒成(24=畑中)が4日に名古屋市内のCBCテレビで会見し、保持していたWBO世界フライ級スーパー王座を1月31日付で返上。今年は一つ上のスーパーフライ級で4階級制覇を目指すことを明らかにした。

 大みそかに3度目の防衛に成功した田中は「今後はフライ級かSフライ級のどちらでもいい」と話していたが、約1か月の熟考の末「Sフライ級は強い選手が揃っているし、長く防衛を続けていきたいと思ったので」との理由で王座返上しての階級アップを決意したという。

 現在、Sフライ級のWBO王者は井岡一翔(30=Reason大貴)。畑中清詞会長(52)は昨年12月に東京で行われたWBO総会で、フランシスコ・バルセルカル会長(71)から「スーパー王者になれば、階級を変えた時にランク1位の指名挑戦者になれる」とアドバイスを受け、年明けにスーパー王者になることを申請して認められた。

 現在のところ一翔サイドとは何の接触もしていないが「WBOのルールにのっとってやるだけです」(畑中会長)と、春ごろにノンタイトル戦を1つ挟んだ上で、指名試合で対戦することをもくろんでいる。

 田中本人は「相手のイメージというのは、試合が決まってからする。Sフライ級では、王者以外も含めてやりたい選手というのは10人ぐらいいる」と話すにとどめたが、井岡との対戦は昨年8月のV2戦時からバルセルカル会長が「来年(2020年)やる」と断言していただけに、状況は実現へ向けての流れができているといえそうだ。