【ボクシング】井上尚弥 米進出初戦で統一戦

2020年01月29日 16時40分

練習を終えた井上は自信にあふれる笑顔を見せた

 WBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の“モンスター”井上尚弥(26=大橋)が、いよいよ本格的な米国進出に挑む。4月に米ラスベガスでその初戦が見込まれているが、いきなりリスクの高い試合を選ぶことが濃厚だ。ボクシングの本場制圧に向けて、日本の誇るモンスターが掲げる“方針”とは――。

 井上がノニト・ドネア(37=フィリピン)に判定勝ちした昨年11月のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝戦は、全米ボクシング記者協会や米「リング」誌といった権威ある組織が年間最高試合に選出した。

 次戦は4月にラスベガス決戦となることが濃厚。それを前に最高の勲章を得たことで注目度も上がることが予想され、井上も「すごくデカいことだと思います」。ただ、その一方で「賞とかではなくて、自分がどういう試合をやって、どういう結果になるかということしか考えていないので」と言い切った。

 井上はWBO世界スーパーフライ級王者だった2017年9月にも米国で防衛戦をした経験があるが、今回は米興行大手トップランク社とも契約し、米国に本格進出していく上での大事な初戦。これを米国のファンへの“顔見せ”と考えれば、倒しやすそうな相手を選ぶことによって「モンスター」の印象をより強く与える手法もあった。

 だが、それは誰よりも井上自身が望んでいない。次戦の相手はWBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(30=フィリピン)となる方向。井上と同じく3階級制覇を達成した強敵だ。

 いきなりの3団体王座統一戦でリスクが高い一戦となるが「勝って当たり前」と言われるような相手と拳を合わせたところで、評価を高めることにはならない。それよりも「厳しいかも」とみられるような強敵と戦って勝つことが井上が掲げる本場進出への“方針”なのだ。

 あえて過酷な状況に自らを追い込んで結果を出すため、近年は試合に向けて60ラウンドほどに絞っていたスパーリングを今回は増やす予定だ。ドネア戦前までは強打で早期KOが続いていたが、ドネアとフルラウンドを戦い抜き「スタミナに問題ないことはわかっています。でも、それを一段階上げようと思っているんです」(井上)。

 スパーリングの質と量を高めることで、ワンランクアップした姿を披露しようという意気込み。日本のモンスターは自らいばらの道を歩き、その価値を高めていく。