ボクシングの東京五輪アジア・オセアニア予選に出場する選手団が28日、東京・板橋区の東洋大学で公開練習を行った。

 同大会は2月3~14日に中国・武漢で行う予定だったが、中国全土で新型コロナウイルスの感染拡大で肺炎患者が急増している深刻な状況を受け、3月3~11日にヨルダンの首都アンマンで代替開催することが決定。東京五輪を目指す11選手は、約1か月後の予選を見据えてみっちりと汗を流した。

 ウイルスが発生した武漢での試合が中止となったことに、選手団からは歓迎の声が相次いだ。フライ級の田中亮明(26)は「正直、中国には行きたくないと思っていたので安心しています」、リオ五輪代表の成松大介(30)は「延期にならず試合をやって、大会後にウイルスにかかってしまったら今後の生活に影響する。中止になって良かった」、女子フェザー級の入江聖奈(19)は「肺炎になりたくなかったのでホッとしている」と一様に安堵の表情を浮かべた。また、1か月延期したことを前向きにとらえる選手も多く、成松は「1か月分、強くなれるとポジティブに考えている」と語った。

 一方、日本ボクシング連盟の内田貞信会長(47)は「ここにいる選手たちは様々なトレーニングを積んできた。日本連盟としては影響ないと感じている。できる限りのサポートをしていきたい」と話した。