大みそかに防衛戦(東京・大田区総合体育館)を行うWBO世界フライ級王者の田中恒成(24=畑中ジム)が27日、名古屋市内のジムで公開練習を行った。

 田中は同級11位の挑戦者、ウラン・トロハツ(26=中国)とV3戦を行う。1ラウンドのシャドーボクシングとミット打ちのみの公開となったが、鋭いパンチと軽快な動きで仕上がりの良さを感じさせた。

 8月のV2戦では試合前に風邪をひき、調整が遅れた反省から今回、特に体調管理に注意したという。そんな意識は苦手なランニングにも表れた。「絶対に10キロ以上は走らない。10キロ過ぎたら歩く」と公言してきたが「この2か月で11~12キロまで走ることが半分以上あった」。有酸素運動で減量効果を上げ、嫌いなことをやることでメンタル面の強化にもつながった。

 25日には新幹線で東京・羽田空港でのフェースオフ・イベントと調印式に日帰りで臨んだ。「正直、今までだったら、それだけでもきつかった。今回は大丈夫です」と断言し、体調面では「今年一番いい」と自ら太鼓判を押す。

 トロハツについては「右のパンチ。大きくふっかけてくるフックと中からのアッパーとストレートをうまく使い分けてくる」と警戒しつつも「絶対にKOで勝ちます。これが俺のボクシングというものを見せて、気持ちよく年を越したい」。成長を続ける3階級制覇王者は、初めての東京での年越しを笑顔で過ごすつもりだ。