ボクシングのトリプル世界戦(23日、横浜アリーナ)の前日計量が22日、都内のホテルで行われ、WBAミドル級王者・村田諒太(33=帝拳)は200グラムアンダー、同級8位の挑戦者スティーブン・バトラー(24=カナダ)はリミットちょうどの72・5キロでそれぞれ一発でパスした。

 恒例のフェースオフをやや長めの20秒ほど行った村田は「別に、何も思うことはないです」と落ち着いた表情。戦闘モードになるのは「明日、リングに入ってからでしょう。それも自然に入ると思ってます」と、23日午後8時すぎのゴングまでは30時間もあるとあって、まだ穏やかだ。

 この直前に、多くの関係者でごった返す会場の出入り口ですれ違う際、バトラーは肩をぶるけるように歩いていった。そんな挑発まがいの行動にも「無理に着飾る必要もないし、無理に笑顔をつくる必要もない。あとは明日の試合でベストを尽くすだけです」と王者は顔色ひとつ変えずに話した。

 そう言いながらも「試合前の緊張感というのは、何回やっても普通にありますよ」。ほどよい緊張感の中で、ゴングが鳴るのを待つ。