WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ(23日、横浜アリーナ)で王者の寺地拳四朗(27=BMB)に挑む同級12位ランディ・ペタルコリン(27=フィリピン)は、決して侮れない相手だ。

 拳四朗は本来なら統一戦を行う予定だった。だがIBF王者のフェリックス・アルバラード(30=ニカラグア)が体調不良で試合をキャンセル。約1か月前に抜てきされたのが、このペタルコリンだ。10月20日にノンタイトル戦で勝利した後にオファーを受け、約70ラウンドのスパーリングをこなして臨む慌ただしさも「自分の強みは経験の数(35戦)。体調は最高で、試合が待ち切れない」とやる気がみなぎる。

 昨年10月にはIBFの王座決定戦でアルバラードにTKO負けした。ニカラグアから呼び寄せての惨敗に、その後組まれたのは戦績が負け越している相手とのノンタイトル8回戦が2度。試合順が興行の前半になるなど、完全に“出世コース”からは外された。そんな時に“棚ぼた”で得たチャンスだけに、張り切らないはずがない。アルバラードの代役としてリングに上がるのも、運を持っていると言える。

 準備期間の短さは、アルバラード対策をしておきながら相手がサウスポーに変わった拳四朗のほうがむしろ大変だろう。V7へ油断大敵だ。