ボクシングのWBO世界フライ級王者・田中恒成(24=畑中)が2日、同級11位のウラン・トロハツ(26=中国)を迎え撃つV3戦(31日、東京・大田区総合体育館)に向けたスパーリングを名古屋市内の所属ジムで公開した。

 先月20日から招聘しているのは、何と挑戦者よりもランク上位となるWBOフライ級9位、IBFでは同級5位のジェイソン・ママ(22=フィリピン)。この日公開した4ラウンドと合わせて合計21ラウンドの、中身の濃いスパーリングを消化した田中が「すごくいい練習ができている」と成果を語れば、ママも「僕のためにKOで勝ってくれよ」とハッパをかける。

 先月23~24日にはアマチュアの全日本選手権を観戦。兄の亮明(26)が優勝して東京五輪の代表に近づいたシーンを目の当たりにして「久々に見に行った試合で、勝てて良かったです」と笑顔で話した。

 大みそかのリングに上がるのは3年ぶり。「ここ2年は“見る側”に回っていて(試合を)やりたいなと思っていたので、やれることに喜びを感じます」と大舞台を用意してくれた周囲に感謝する。

 世界戦では自身9度目で初の東京での試合。首都のファンを年の瀬に沸かせたい。