【ボクシング】ウバーリに判定負け 井上拓真ビッグマッチ実現のチャンス消えた

2019年11月08日 16時30分

拓真はウバーリ(右)の左ストレートをまともに食らった

 逃がした魚は大きかったということか。WBC世界バンタム級王座統一戦(7日、さいたまスーパーアリーナ)で正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)に判定0―3で敗れた暫定王者の井上拓真(23=大橋)は、ビッグマッチ実現のチャンスが消滅した。

「前の試合より内容は良かった。4回が終わって(全て10点の)フルマークをつけているジャッジがいて、そんな(差がある)かなと戸惑いがあった。ポイントの取り方をもうちょっと研究しないと」と悔しさをにじませたが、それもそのはず。正規王者になれば23日(日本時間24日)に米ラスベガスで行われる前WBC同級王者ルイス・ネリ(24=メキシコ)VS前IBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(27=プエルトリコ)の勝者の挑戦を受けることが決まっていたからだ。

 ネリは計量失格で王座を剥奪されるなど数々の問題行動で日本では試合ができないが、その実力は一級品。一方で拓真はウバーリ対策としてこの1年、苦手のサウスポー相手にみっちりとスパーリングを重ねており、同じサウスポーのネリと対峙する土台はできていた。しかもネリ戦は大きな話題となっただろう。

 そのネリにロドリゲスが勝ったとしても、5月のWBSS準決勝では兄の井上尚弥(26=大橋)が259秒で撃破。実際にTKOで退けた“モンスター”がすぐ近くにおり、この上ないアドバンテージになったのは間違いない。どちらも強敵とはいえ、拓真にとってそれほど不利な条件ではなかったのだ。

 それだけにここでの敗戦は痛すぎるものに…。兄は試合後にウバーリへの敵討ちを口にしたが、弟は「やっぱり悔しい。自分でやり返したい」。ゼロからやり直し、偉大な兄を追いかけるしかない。