【WBSS】井上尚弥 ドネアの破壊力を警戒

2019年11月01日 16時30分

ドネアは重量感のあるパンチを繰り出した

 一発が明暗を分ける――。WBA&IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26)が所属する大橋ジムの大橋秀行会長(54)が31日、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝(7日、さいたまスーパーアリーナ)で激突するWBA同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)を視察。改めてパンチの威力に驚がくし、警戒心を強めた。

 決勝を1週間後に控えたこの日、前日に来日したドネアが都内の帝拳ジムで練習を公開した。シャドー、1Rのミット打ちと軽めの調整だったが、“フィリピンの閃光”と呼ばれる左フックと左アッパーは健在で、その破壊力を見せつけた。

 練習後は「大好きな日本のリングに上がることにワクワクしている。人生を通してやってきたことを披露するつもりだ」と予告。井上については「信じられないほど素晴らしいファイター。自分のようにパワーとスピードを兼ね備えている」と称賛しながらも、「私はその上に経験が積み重なっている」と自信をみなぎらせた。

 5階級制覇王者の片鱗を見せられた井上陣営も、表情を引き締めた。視察に訪れた井上の父、真吾トレーナー(48)は「全力でやってはいない感じだが、パンチが重そう。左はもちろん、全てのパンチを警戒しないといけない」と語った。

 そんな中、現役時代はWBCとWBAのミニマム級王座を獲得し、“150年に一人の天才”と言われた大橋会長も「やっぱりパンチが強いね。左フックもアッパーも。ある程度の年齢になるとスピードもパワーも落ちるのは当然だけど、経験とカウンターのタイミングは怖い。精度は年齢とともに上がってくるから」と分析。また、試合展開については「想像がつかない。一発で失神させられるような力を持つ者同士の戦いは記憶にない」と語る。

 ただし、愛弟子の井上もパンチでは負けていない。無敗のハードパンチャー同士の戦いとなった、前IBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(27=プエルトリコ)との準決勝(5月19日)を、わずか259秒でTKO勝利した。「判定はないと思う。準決勝同様にスリリングな試合になる」という指摘通り、どちらかが“一発”当てればその時点で試合が終わる可能性が高い。「まだ自分は井上の壁になっている」と豪語するドネアに、怪物はどう戦うのか。