WBO世界フライ級王者の田中恒成(24=畑中)のV2戦(24日、愛知・武田テバオーシャンアリーナ)が急きょ“御前試合”となった。23日、挑戦者の同級1位ジョナサン・ゴンサレス(28=プエルトリコ)とともに出席した調印式と前日計量には、WBOのフランシスコ・バルカルセル会長の姿があった。

 本来の来日目的は12月に東京で開催されるWBO総会の下見だが、ちょうど田中の世界戦があるため急きょ名古屋入りしたのだ。田中が世界最速タイ(12戦)での3階級制覇をすべてWBO王座で達成したことについて、バルカルセル会長は「誰でもできることではない」とたたえた上で、オスカー・デラホーヤ(米国)、ホルヘ・アルセ(メキシコ)にミゲル・コット(米国)ら名だたる複数階級王者を挙げ「彼らと比較できるぐらいの選手だ」と最大級に持ち上げた。

 これには田中も「レジェンドばかりで、自分はまだまだ」と恐縮しきりだったが、WBOの本部があり、会長の出身地でもあるプエルトリコからの指名挑戦者を撃破すれば評価を大きく上げることができる。ここ2戦は日本人対決でいずれも判定勝利。この日も口にした「もちろんKOを狙います」の言葉を実行して、さらに世界に名を知らしめたいところだ。