WBO世界フライ級王者の田中恒成(24=畑中)が19日、同級1位ジョナサン・ゴンサレス(28=プエルトリコ)とのV2戦(24日、愛知・武田テバオーシャンアリーナ)に向けて練習を公開した。

「見ていただければわかると思います」と予告してから行ったミット打ちで、明らかにスピードアップした連打を披露。現王座を獲得した昨年9月の木村翔(30=青木)戦、3月の田口良一(32=ワタナベ)戦と続いた日本人対決はパワー重視で2戦ともに判定勝利だっただけに、今回は「スピードでKOします」と路線を変更する。

 最近の日本人ボクサーの戦いを振り返ると、村田諒太(33=帝拳)はWBA世界ミドル級王座奪回戦で、井岡一翔(30=Reason大貴)は日本初の4階級制覇を果たしたWBO世界スーパーフライ級戦で、井上尚弥(26=大橋)は英国で行われた「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ」準決勝で、いずれも豪快にKO勝ちした。

 そんななかで、3戦連続の判定では自身の商品価値を下げてしまう。ではKOに何が必要か?となった末の結論が「スピード」だったというわけだ。

 甲子園で快進撃を続ける母校の中京学院大中京高(岐阜)が、7回に流れを変える試合展開を続けることに引っかけて「(KOは)7ラウンドあたりですかね」。

 7戦7勝の世界戦でのKO勝利は3回。だが2試合でダウンを喫し、一昨年のWBOライトフライ級V2戦では両目眼窩底骨折の重傷を負うなどイメージがあまり良くない。今度こそすっきり倒して勝ちたいところだ。