村田諒太が王座奪還!“不吉データ”ぶっ飛ばしTKO勝ち

2019年07月12日 22時05分

数えきれないくらいパンチを当てまくった村田

 ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチ(12日、エディオンアリーナ大阪)で同級4位の村田諒太(33=帝拳)は王者、ロブ・ブラント(28=米国)を2ラウンド2分34秒、TKOで破り、昨年10月に米国ラスベガスで奪われた王座を奪回することに成功した。

 大阪が歓喜の声に包まれた。

 2ラウンド開始のゴングともに村田は猛獣のように襲いかかる。右、右、右。数え切れないほどのパンチを当てて開始早々にダウンを奪う。

 もはやブラントはふらふらで防戦一方。いつ止めてもおかしくない状況に村田は攻撃の手を休めない。

 そしてラウンド終了目前、レフェリーが試合を止め、ついにベルトが戻ってきた。

 試合開始のゴングとともに、すさまじい勢いで飛び出したのは王者・ブラント。左で主導権を握りにかかる。

 村田も右で反撃。この手数が次の回のTKOにつながった。

 村田にとっては不吉なデータばかりが並んでいた。

 過去の日本ボクシング界で、世界王座を奪われた相手とダイレクトで再戦してリベンジを果たしたのは4例だけ。成功率は3割に満たない。

 また海外のブックメーカーのオッズでは「ブラント勝利」は軒並み1・5倍を切っているのに対して「村田勝利」は3〜5倍と明確な差がつけられた。

 だが2017年5月の世界初挑戦(王座決定戦)で判定負けしたアッサン・エンダム(35=フランス)とのダイレクトリマッチでTKO勝ち。「再戦は初戦で勝った方が有利」との定説を覆して、世界王者となったのは他ならぬ村田自身だ。

 ラスベガスでベルトを奪われたブラントとの再戦は出身の奈良に近い大阪。大きな期待が大きな重圧に変わりうることにも「海外だと『勝たなきゃいけない』というプレッシャーから解放される部分があるけど、国内でやるプレッシャーは必要なことだと思う」と、追い込まれるような状況もあえてプラスだと考えた。

 試合後のリングで「皆さん、3ラウンドから僕が崩れることろ、見たかったんでしょ?」と村田はおどけたが、皆が見たかったのは、やはりこの瞬間だ。