村田と対戦 王者・ブラントの成り上がり“ロッキー”半生

2019年07月05日 16時30分

ティファニー夫人(左)は夫の調整ぶりをスマホで撮影

 WBA世界ミドル級タイトルマッチ(12日、エディオンアリーナ大阪)で、前王者で同級4位の村田諒太(33=帝拳)と激突する王者ロブ・ブラント(28=米国)が4日、練習を公開。昨年10月に村田に苦杯をなめさせた“成り上がり男”は、映画「ロッキー」のサクセスストーリーを地で行くような充実した環境で、返り討ちに自信たっぷりだ。

 これが、スーパースターが居並ぶミドル級で王座に君臨する貫禄か。昨年10月に米ラスベガスでベルトを奪い取った村田との再戦について「彼は前回よりスピードアップしてくるだろうけど、対策はしているからパンチを当てることはできないと思う」と言い切った。
 この自信はどこから来るのか。それは充実したスタッフに囲まれていることだ。今回からチームに加わったのは管理栄養士のミッシェル・インゲルスさん。野菜類やスムージーなど火を使わない料理を作りつつ、レストランに行く際は減量に悪影響のないメニューをアドバイス。一方で王者がストレスをため込まないように「ハンバーガーを食べたり、昨日はラーメン屋さんに行きました」(ミッシェルさん)とメリハリをつけている。

 初の世界挑戦だった前回の村田戦前には、過去に2人の3階級制覇王者を指導したエディ・ムスタファ・モハメド氏(67)を陣営に加えた。そのタッグも今回が3試合目となり、信頼関係はより強固になっている。

 海外ではこうしたスタッフはすべてボクサーが直接雇う。村田との世界戦が決まって待遇がアップしたことで名トレーナーを雇い、王者となりさらに稼げるようになって管理栄養士と契約したというわけだ。

 ブラントは2012年のプロデビュー以降、キャリアの半分は出身地ミネソタ州にある人口2000人に満たない町のカジノで戦い、世界王者となった後の初防衛戦も同じ会場だった。V2戦の今回をクリアすれば、その後はWBAスーパー&WBC&IBF王者のサウル・アルバレス(28=メキシコ)を筆頭としたスーパースターとのビッグマッチ実現の可能性も高まる。

 この成り上がりぶりは、まるで平凡なボクサーが国民的英雄に上り詰めるサクセスストーリーを描いた映画「ロッキー」をほうふつとさせる。ブラントも「自分の人生が変わるであろう試合。この結果によって私たちの未来は左右に分かれる。まずはムラタを倒すことから始まる」とV2戦の意味を理解している。村田にとってはますます手ごわい相手となりそうだ。