ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチ(12日、エディオンアリーナ大阪)で王者ロブ・ブラント(28=米国)とのリターンマッチに臨む同級4位・村田諒太(33=帝拳)が3日、東京・新宿区の所属ジムで練習を公開。視察にやってきたブラント陣営の目の前で、2ラウンドのスパーリングを行った。

 この日の練習は、試合前の公式行事の一環として行われた。相手陣営が視察を希望すれば拒むことはできないが、内容や時間の規定はない。そのため海外から来た選手の中にはスパーリングどころか、5分ほど体を動かしただけで汗もかかずに終了するケースがある。

 通常なら試合直前は手の内を隠したくなるもの。それが「お互いに一度やってるんだし、何も隠すことはない」(村田)とスパーリングを敢行。開始前には、それまでジムの隅で遠慮がちに見ていたブラント陣営のネイサン・ピピトーン・アシスタントコーチ(AC)をリングサイドに招き入れた点に、自信が表れている。

 そのスパーでは「前回は棒立ちでポカポカもらってたけど、今回はプレッシャーをかけて、上下をしっかり打ち分けるのがテーマ」と話す通り、鋭いパンチを打ち込んだ。

 これを見たピピトーンACは「前回(昨年10月の対戦時)よりパワーアップしてるし、テクニックも増していると思う」と話す一方で「我々の勝利を確信している」とも。

 これに対し村田は「前回悔しい思いをしてるので、ブン殴って倒してやりたい。テーマは『勝つ』ということだけです」とピシャリ。いよいよ決戦へのムードが盛り上がってきた。