最強決定トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」バンタム級準決勝(18日)でエマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)に2回TKO勝ちし、決勝に進出したWBA&IBF王者の井上尚弥(26=大橋)の“特需”が発生だ。

 英国・グラスゴーで日本時間19日午前5時すぎに行われた準決勝の模様は「WOWOW」が生中継したが、想定をはるかに上回る加入者を獲得。その内訳も「テニスでは一度退会した人が加入し直すケースがけっこう多いのが、今回は全くの新規加入が多かった」(関係者)。

 WOWOWはテニスの4大大会で大坂なおみ(21=日清食品)や錦織圭(29=同)が活躍した際も加入者を大幅に伸ばした実績があるが、こちらは2週間近くかけてトーナメントを徐々に勝ち上がるので、優勝への期待感が成熟する時間がたっぷりある。これに対してボクシングは一発勝負。さらに日曜早朝で有料という条件があっても新たなユーザーを獲得できたことは、井上への期待感が大きいことを物語っている。

 また、同日午後9時から録画放送したフジテレビも関東地区で平均10・3%、関西地区では同13・5%の高視聴率をマークした(ビデオリサーチ調べ)。ネット上には試合直後から結果だけではなく、海外での中継動画も続々アップされた上に、試合時間は2R1分19秒で決着し5分もない。これだけのマイナス要因が重なったにもかかわらず2桁視聴率を獲得したのは、井上のKOが「キラーコンテンツ」となった証しだろう。

 今秋に予定されるWBAスーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)との決勝はさらに注目を集めそうだ。