米放送局の「ESPN」(電子版)が、プロボクシングのWBA世界バンタム級王者の井上尚弥(26=大橋)を絶賛する記事を掲載した。
井上は18日(日本時間19日)、英国グラスゴーでワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)準決勝に出撃。IBF王者のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)との無敗対決に挑む。
16日にはインスタグラムを更新し「全ての準備は整ったよ!! 後は計量をクリアするだけ!! 待ち遠しいなぁ」と意気込んだ。
そんな井上に対し、ESPNは「おそらく誰も見たこともない最高のPFP(パウンド・フォー・パウンド)ボクサー」との見出しをつけ、最大級の期待を込めた。
PFPとは、階級に関係なく誰が最強かを表す称号。
ESPNはライト級王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)やウエルター級王者のテレンス・クロフォード(米国)らが人気を得ていることを明かしつつ、それでも、井上の潜在能力はこれらを上回るとした。
「ESPNパネルでは7位にランクされている現WBAバンタム級王者で日本の井上尚弥は、世界で最も有力な選手になるだろう。ファンの多くはまだ試合を見る機会がない」
すでにボクシング業界では「モンスター」のニックネームを持つ井上の実力を誰もが認めていると指摘。
著名なトレーナーのルディ・ヘルナンデス氏は「私は彼を1番にランク付けしている」と前置きしつつ「衝撃を与える意図を持って試合に臨み、(結果に)疑いを残さない」と分析した。
井上はESPNの取材に「狙いはどんな試合でもKO」と宣言。
「昨年の最近2試合は初回にその機会が訪れた。目標は初回で試合を終わらせることではないが、チャンスがあれば、KOを狙うだろう」と短期決戦で世界にさらなるインパクトを与えることにも意欲を示した。
また、ヘルナンデス氏は井上の武器をパワーだけではないと分析。
「彼のタイミング、いい目を持っているし、誰よりも前に踏み込んでいるように見える」「いいボクサーとしてのこれだけの素質を持っている。私は彼がすべてを備えていると思う」と評した。