WBC世界スーパーバンタム級暫定王者の亀田和毅(27=協栄)が8日、同級正規王者レイ・バルガス(28=メキシコ)との王座統一戦(7月中旬、米ロサンゼルスを予定)に向けた和歌山キャンプを開始した。

 今回のキャンプにはプロゴルファーの松山英樹(27=LEXUS)やプロ野球日本ハムの中田翔内野手(30)を指導し、“鬼教官”とも呼ばれる秀島正芳トレーナー(37)が合流している。

 この日は午前6時過ぎから南紀白浜GCで200メートルダッシュを15本、ジャンプを650回。さらに再びダッシュを100メートル×10本と、40メートル×20本などをみっちり。午後は白良浜海岸に場所を移して走り込んだ。和毅は秀島氏に3月から指導を受けているが「メニューの合間にシャドーしたりするのが『休憩』ですから。ホンマに鬼…」と思わず泣きを入れた。

 ところが、2時間を予定していた午後練習が1時間ほど経過したところで突然「もう終わり」。秀島氏は「選手が常に全力でやるために、全体のメニューはあえて教えない」主義。この日朝も終了をにおわせてから30分ほど続いただけに「終わり」も“フェイント”かと思われたが、本当に終了した。秀島氏は「足首に疲労がきてるので、続けても意味がないので」と理由を説明した上で「これ以上やっても根性論なだけ」と続けた。

 鬼だけではなく「仏」の顔も使い分けたキャンプで、和毅も「これだけやってるから、試合開始から12ラウンドまでトップギアで動き続けられる。絶対に勝てるよ」との自信を持って、33戦全勝の強敵との戦いに臨む。