亀田家史上「最大の敵」が出現だ。WBC世界スーパーバンタム級暫定王者の亀田和毅(27=協栄)が、同級正規王者レイ・バルガス(28=メキシコ)と7月中旬に米ロサンゼルスで王座統一戦を行うと7日に発表された。

 走り込み合宿中の和歌山・南紀白浜ゴルフ倶楽部で会見した和毅は、16歳だった12年前、バルガスにアマチュアで唯一の黒星をつけられたエピソードを持ち出し「あの時はギリギリの判定とかじゃない完全な負け。『今の俺の実力じゃ勝てない』と思った」と話した。

 敗因は身長177センチ、リーチは179センチという軽量級離れしたバルガスのサイズだ。「むちゃくちゃ長い、というイメージ。入っては下がられ、出ても下がられて、パンチが当てられなかった」と和毅は振り返る。その後、WBOバンタム級王座を戴冠した和毅も成長したことは間違いないが、体格差は埋められるものではない。

 プロになっても「これだけ大きな選手とやったことはない」だけに、今後は“サイズ感”の調整が重要となる。ただ、高身長の相手とスパーリングをすればいいというものではない。「これだけデカいと階級の差が…」と和毅が言うように、身長177センチなら5階級上のウエルター級から7階級上のミドル級ぐらいになり、このクラスは普段の体重が80キロ前後。一方でスーパーバンタム級のリミットは55・3キロで、もちろん通常時はもっと重いが、まともにパンチを食らったら壊されるほどの体重差がある。

 かといって“手抜きスパー”では、プロ33戦全勝(22KO)の「最大の敵」対策にならない。会見には父の史郎氏(53)も同席。「レイ(バルガス)と和毅がやるから『レイ和(令和)対決』や!」と豪語したが、令和早々に試練の一戦となりそうだ。