WBO世界フライ級タイトルマッチ(16日、岐阜メモリアルセンター)、王者の田中恒成(23=畑中)と挑戦者で元WBA&IBF統一世界ライトフライ級王者、田口良一(32=ワタナベ)が15日の前日計量をともに一発パス。その前の会見で王者が見事なプロデュース能力を披露した。

 会見では年上の挑戦者をリスペクトしてマイクを譲り、共通の質問には田口が先に答える。まずは意気込みを聞かれると「打ち合いの時間が多くなると思う」と言う田口に対して田中は「逃げません。こんなに面白いカードを、つまらない試合にする気はありません」とあおり返す。世界戦での日本人対決は平成ラストとなることに「意識してませんでした」と田口。これに田中は「平成最後の大勝負にふさわしい試合にします。普通の試合では終わらせません」とけしかけた。

 会見で「どっちが勝ちますか?」という質問が出ると、田中は容赦なく「その聞き方嫌いです」とピシャリ。そのかいあって、控えめだった田口から「自分も逃げるつもりはないし、お互いに打ち合う展開になると思う」と“殴り合い上等”の談話を引き出すことに成功。リングでも見応えある戦いを見せてほしいものだ。