元WBA&IBF統一世界ライトフライ級王者の田口良一(32=ワタナベ)が12日、東京・品川区の所属ジムで、王者・田中恒成(23=畑中)に挑戦するWBO世界フライ級タイトルマッチ(16日、岐阜メモリアルセンター)に向けた公開練習を行った。

 昨年5月に行った日本人初の「統一王者としての防衛戦」に敗れ、2本のベルトを一気に失った。階級を上げて再起戦を挟まず、いきなりの世界挑戦に「2階級制覇とかいうことよりも、田中君とやる。田中君に勝ちたいという気持ちの方が強い」と話した。

 両者はともにライトフライ級王者(田中がWBO、田口はWBA)だった2017年の大みそかに、統一戦を行うはずだった。ところが、同年9月のV2戦で田中が両目眼窩底骨折の重傷を負ったことで消滅。時は流れ、3階級王者の田中に田口が挑戦と立場は変わったものの、ようやく実現して「THE FATE」(運命)のタイトルがつけられた一戦にかける思いは強い。

 WBA王座を7度防衛、IBFとの王座統一を果たし「名王者」の領域に達した田口にとって、久々に挑戦者として上がるリング。「この相手(田中)に勝てば、ボクシング人生で一番の自信になると思う」と話す試合は、前日(11日)に公開練習を行った田中が「打ち合いになることも想定している」と言ったと聞くと「自分は打ち合うことしか考えていません」と言い切った。

 昨年と一昨年の「年間最高試合」の勝者同士が対戦する好カードは、見応えのあるものになりそうだ。