【ボクシングWBSS準決勝】情報乱立でも井上尚弥は泰然自若

2019年02月09日 16時30分

左から技能賞の田中、MVPの井上、殊勲賞の伊藤

 ボクシングの「2018年度年間優秀選手表彰式」(8日)で最優秀選手(MVP)に選ばれた、WBA世界バンタム級王者の井上尚弥(25=大橋)の次戦をめぐる情報が錯綜している。圧倒的な強さでトーナメント戦の「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」を勝ち上がり、準決勝でIBF同級王者のエマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)との対戦は確定しているが、時期と開催地の候補が“乱立”。焦りやストレスも生まれかねない状況だが、無敵王者の心中は――。

 昨年の井上は5月に現王座を獲得して3階級制覇を達成。10月にはWBSS1回戦を兼ねたV1戦を戦い、いずれも1回KO勝ちで、国内のみならず世界に衝撃を与えた。4年ぶり2回目のMVPが満票での受賞となったのも納得。KO賞と合わせてのダブル受賞に「今年取れなかったら、いつ取れるんだ? って感じですよね」と冗談めかして話す口調には自信と風格が漂っている。

 こうなると、ファンの興味は次戦。ロドリゲスとのWBSS準決勝がいつ、どこで行われるかだが、一部では「5月18日に英国・グラスゴー開催」との情報が浮上している。だが井上は「4月ぐらいと聞いている。もう(日程は)確定しているだろうし、5月はないと思う」。大橋秀行会長(53)に至っては「4月か5月に、英国か米国」と話すなど、情報は入り乱れている。

 一時は3月開催の可能性もあり、それに合わせて走り込みキャンプを行う予定を立てたが、それが消滅したことで仕切り直し。どれが正しいのかわからず、普通ならストレスがたまりそうなもの。だが「相手は決まっているので、やることは同じですから」と井上は落ち着いている。

 これがスーパーフライ級時代のように、相手探しにも難航しているとなると対策も立てられずにイライラが募るが、幸いにも「海外開催でロドリゲス戦」というのは不変。ロドリゲスの試合は昨年10月にフロリダまで足を運んで実際に見たこともあり、試合のイメージはしやすい。そうしたこともあって、焦る気持ちはないというわけだ。

 ロドリゲスに勝てば、年内にWBSSの決勝も戦うことになる。優勝を見据えているのはもちろんだが「ボクシングを見ないような人でも見てくれるような試合をしたい」とボクシング人気向上への思いも強い。

 まさに泰然自若。無敗ロードを突き進み、WBSS制覇の偉業達成で、2010&11年の西岡利晃氏(42=元WBC世界スーパーバンタム級王者)以来となる「2年連続でのMVP獲得」といきたいところだ。